西洋哲学と文学、芸術

西洋哲学を基本に、殊にHermeneutikという文章や芸術をより分かろうとすることについて、

2020-01-01から1年間の記事一覧

ニーチェ シャイで人間好きな哲学文豪 改訂版

嬉し楽しき科学 二版への前書き 2回目 書き直し1この本にはもしかしたら、前書きが全く必要でないかもしれない: 最終的にずっと、不確実さが残ったままであろうから。それに、もしこれに似た様な事を体験していなければ、この本の前書きによってその経験に近…

ニーチェ シャイで人間好きな哲学詩人

嬉し楽しき科学(もしくは知識、調査研究) 二版への前書き1この本にはもしかしたら、前書きが全く必要でないかもしれない: 最終的にずっと、不確実さが残ったままであろうから。それに、もしこれに似た様な事を体験していなければ、この本の前書きによってそ…

多和田葉子氏 と レーヴィット

NHKの記事から 多和田葉子氏の以下のお言葉を拝借した。 https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/interview/detail/opinion_06.html 『日本とドイツのいちばんの違いは何でしょうか多和田さんいちばん違うところは、やっぱり文化の果たす役割みた…

カール レヴィット 日本への愛

カール レーヴィットが日本人に最後まで言い続けた 《上部の西洋化をやめて本来の日本の良さで前進するべき》という事。 彼は哲学者の立場から日本の状況を冷静に判断し、西洋の歴史も吟味して、キリスト信者の立場から、一番近しい人への愛の手を差し伸べた…

ハイデッガー 妻エルフリーデへの書簡  僕の愛しいゼールヒェン(繊細な女の子)

2005年に発行されたこの書簡交換は、かれらの孫娘、ゲルトルードが編纂、編集している。ゲルトルードは 祖母の遺言で、古い鍵を貰った。その鍵には絹のバンドが付けられていて、バンドには《この鍵は私の死後 孫娘のゲルトルード ハイデッガーだけが所持する…

レーヴィット 日本人への忠告

ドイツ人哲学者 カール レーヴィットが アメリカで発表した 《Der japanische Geist》のGeist 日本では一般的に 精神とか真髄とか訳されているようだが、本来のドイツ語の意味には二通りある。 1 人間の思考している自覚、分かる力、カントから- 内容を構築…

一人の日本人と 一人の問いかける人

日本語にも訳されているハイデッガーの、言葉についての対話から、に入っているこの論文には、戦前九鬼周造がハイデッガーに粋の構造を伝えようとして、思うように伝える事ができなかったが、ハイデッガーは言わんとする事を分かるよう努めたが、分からずじ…

ハイデッガー ガダマー レーヴィット

レーヴィットは彼の著書『欠乏の時代に考える人der Denker in Dürftiger Zeit』中でハイデッガーの信仰について、もう信じていないのかと 批判した。 以前のこのサイトでの投稿 カール レーヴィット参照 ハイデッガーとレーヴィット ガダマー ガダマーはHerm…

ショーペンハウアーの誕生

ヨハナ ショーペンハウアー 「若き日の思い出」から ...母と姉妹たち、そして私の側に居る人たちから、抱き抱えられる様に、愛され、温かく包まれて、1788年2月22日、力強く健康な男の子の幸せな母親になるまで、日々が過ぎて行った。 全ての若いお母さんが…

カール レーヴィット遺構 「本当の日本」

M氏はあるドイツ人(男性、仮名N)の日本での発言が、彼の日本人としての自覚を傷つけられた事への反論を、順を追って話した。そのヨーロッパ人が日本について持っていた不公平な“偏見”を否定した。だがこの反論での不可解なことは以下である。ヨーロッパ人のN…

カール レーヴィット遺構 「本当の日本」

M氏はあるドイツ人(男性、仮名N)の日本での発言が、彼の日本人としての自覚を傷つけられた事への反論を、順を追って話した。そのヨーロッパ人が日本について持っていた不公平な“偏見”を否定した。だがこの反論での不可解なことは以下である。ヨーロッパ人のN…

ハイデッガー 不足(欠乏)の時代に考える人 1960年 前書き 第二版 より „もし、いつ迄も 学生として居続けたら、教師に敵意を抱く。 そして 君たちはどうして 私の花冠を毟り取ろうとしないのか? 君たちは私を褒め称える; しかし どのように - もし 君たちの…

聖書の愛と隣人愛

偶然この本をAmazonで見ました。 哲学・思想翻訳語事典 (日本語) 単行本 – 2013/5/1柴田 隆行 (監修), 石塚 正英 少し立ち読みができたので 読んで見た。愛について ルターの聖書でもLiebeという言葉しかない。本来はもっと違う言葉で違う意味のある 愛 に関…

言葉 ことば の再考

昨日 Spracheを言葉 言詞が適切と思うと書いた。 その前には聖書のヨハネの福音書の引用で、Wort を言葉と訳していた。しかしWortとSpracheでは日本語も違うべきと思い立ち、先ず、手元にある広辞苑(1998年)を引いてみた。“単語” で引くと- 文法上の意味 機…

Sprache langue 言葉 言詞 ことば

ガダマー 哲学のはじまり Reclam より 言葉は- あのニーチェによる言い方をすると- 神の発明 である。 言葉と書いたが 原文はSprache である。グリム辞典(グリム兄弟は日本ではメルヘンで有名だが、本来の彼らの業績はこのドイツ語辞典である。彼らはルター…

祈るとは

先日のローマ教皇のツイッターに、祈りが意味する事は、という書き出しで始まった文章があった。それは、祈りのとき、本当の自分で無い自分であろうとしない事、言い訳をしない事、自分は正しいのだと自分で決めて、神にその様に見せようとし事。 神はあなた…

芸術論について

日本の美術関係について読む事は余りないが、昨年余りにもひどい美術評論をネットで読み、その出版社に間違いを指摘した事がある。全く何の音沙汰もなく今日に至っている。批判ではなく訂正であり、正しいと考えているので、ここに発表し、この原評論を読ん…

Aufklärung カント

Aufklärung(アウフクレールング)とは 自分が犯してしまった個人能力財産- 内的にも外的にも自分自身で決定する事ができ、又自身でそれに対して責任をしっかり持てる事- のない状態からの出口である。これは自身の財産のない事であり、他者からの指導無しで、…

西洋哲学と私

高校生の時 哲学を勉強したくて、少し本を読みました。でも本が何を言いたいのか全く分からなくて、諦めました。 それから何年もしてドイツに来る事になり、色んな事が重なって、哲学と文学を学ぶ事になりました。宗教学では、プロテスタント派の講義でした…